
協力:映画美学校 アクターズ・コース
2025年、東京で初めてデフリンピックが開催され、ろう者・難聴者の文化や手話への社会的関心はかつてないほど高まっています。映画・ドラマ・舞台の各分野でろう者・難聴者当事者のキャスティングが広がり、表現者としての存在感は確実に増しています。
しかし、そうした機会の拡大と裏腹に、ろう者・難聴者が演技を学ぶ環境は整っていません。情報保障にかかる費用を個人が負担しなければならない現状は変わらず、学びの場に辿り着くこと自体が、依然として高いハードルであり続けています。機会は増えた。けれど、その機会をつかむための準備ができる場が、まだ足りていません。
その状況を打破するために、舞台・映画の俳優を輩出している映画美学校アクターズ・コースのご協力のもと、ろう者・難聴者向けの俳優養成講座「デフアクターズ・コース」を2022年・2023年に開催し、好評を博しました。2024年・2025年はデフリンピックの開催シーズンにより休講としていましたが、2026年、「デフアクターズ・コース2026」を開催します。
デフアクターズ・コースは「ろう者・難聴者の俳優」を育てることを目的に、聴者とろう者の講師が共同して取り組む俳優育成プログラムです。2026年12月から2027年2月にかけて週3回のペースで集中講座を行い、2027年2月からは修了公演に向けて稽古を積み、3月に成果を披露します。
演技の基本と技術、考え方など俳優としての基盤をプロの講師から学べるほか、ろう者・難聴者ならではの感覚や呼吸、間、掛け合いなどの身体の使い方、手話表現や日本語から日本手話への翻訳なども学びます。「演じることとは何か」を、参加者の皆さんとともに考えていきます。
奮ってのご参加をお待ちしております。
申請希望者を対象にオンラインによる説明会を実施します〔無料/要予約〕
デフアクターズ・コース2026の受講を検討されている方を対象にオンライン説明会を開催します。
参加を希望される方は、締切日までにお申し込みください。
参加の有無は審査に影響しませんが、講座の趣旨をご理解いただくため、参加を推奨いたします。
日時 / 全回20時-20時30分
第1回:8月25日(火)
第2回:9月30日(水)
第3回:10月16日(金)
※各回ともに説明内容は同じです。
受講期間:2026年12月3日(木)〜2027年2月8日(火)25コマ+修了公演 2月-3月)
平日 19時ー21時30分 ※土日祝日は14時−16時30分
基本的に手話で進行します。聴者の講師には手話通訳がつきます。手話の読み取りに不安がある方は前もってご相談ください。
12月3日(木) 【雫境】
呼吸・身体の使い方の基本
12月7日(月) 【近藤強】
ビューポイント その1
12月9日(水) 【近藤強】
ビューポイント その2
12月11日(金) 【近藤強】
ビューポイント その3
12月14日(月) 【近藤強】
ビューポイント その4
12月16日(水) 【近藤強】
ビューポイント その5
12月19日(土) 【兵藤 公美】※14時−16時30分
見る見合うエクササイズ/インタビュー/写真のワーク
12月21日(月) 【兵藤 公美】
「観る観られる」手話におけるリズムを考える/信頼エクササイズ/デュオ動きワーク
12月23日(水) 【兵藤 公美】
気持ちの作り方/オーディションエチュード ソロワーク
12月26日(土)【兵藤 公美】※14時−16時30分
キャラクター表現 /人間批評エクササイズ/ ソロワーク
12月29日(火)【兵藤 公美】
ソロワーク総括
1月8日(金)【江副悟史】
手話表現と翻訳トレーニング
1月11日(月/祝)【江副悟史】※14時−16時30分
手話表現と翻訳トレーニング:舞台用の翻訳
1月13日(水) 【江副悟史】※14時−16時30分
手話表現と翻訳トレーニング:映像用の翻訳
1月15日(金)【數見陽子】
二人芝居:シーンワークの説明・台本の説明と分析・ペアワーク
1月18日(月)【數見陽子】
二人芝居:ペアワーク
1月20日(水)【數見陽子】
二人芝居:ペアワーク
1月22日(金) 【數見陽子】
二人芝居:発表
1月25日 (月) 【河合健・江副悟史】
映画脚本:翻訳
1月27日 (水)【河合健】
映画・演技についての座学
1月29日 (金)【今井ミカ・今井彰人】
映画における演技
2月1日 (月)【河合健・今井ミカ】
創作・撮影
2月4日 (木)【河合健・今井ミカ】
創作・撮影
2月5日 (金)【河合健・今井ミカ】
映画脚本:演技実践
2月8日 (月)【事務局スタッフ】
オーディション / 現場での基本知識講座・修了公演について
2月-3月中 修了公演稽古 (※受講生の予定を調整した上で決定します)
3月中 修了公演 (※受講生の予定を調整した上で決定します)
※講師の都合により講義日程や講師、内容に変更の可能性がございます。ご了承の上お申込み下さい。
聴者講師に映画美学校アクターズコース講師の近藤強氏・兵藤公美氏・河合健氏を迎えます。
ろう者講師は雫境氏・江副悟史氏・今井ミカ氏に數見陽子氏、今井彰人氏です。
実際のプロから直接学べる貴重な機会です。

雫境
舞踏家
聾(ろう)の舞踏家。1996年〜2001年日本ろう者劇団に在籍。1997年より故・鶴山欣也に師事し舞踏を始める。ユニット「雫」を主宰し、欧米や南米など世界各国で公演・ワークショップを展開。アニエス・トゥルブレ(アニエス・ベー)監督映画『わたしの名前は...』(2013)出演、牧原依里との共同監督映画『LISTEN リッスン』(2016)製作など、映像の領域でも活動。近年は小野寺修司演出作品や人形劇団デフ・パペットシアター・ひとみ等への出演のほか、舞台『黙るな 動け 呼吸しろ』(2025)でドラマトゥルクを務めるなど活動は多岐にわたる。異なる身体の交差や、物質・空間と身体が感応し合う「境界のゆらぎ」をテーマに、領域を横断した表現を追求している。
ろう者は普段の生活、あるいは手話で会話する中での呼吸はどうしていますか?吐く?吸う?走る、歩くなどの呼吸はどうなっていますか?その動きの時にどのような呼吸をするのか、意識していない人が多いと思います。
その呼吸と身体の動きとの関係性は、演技をするにあたって大事な軸となり、意識するだけで質が変わっていきます。
難しいことを考える必要ありません。発見や再考などを楽しみ、気楽に臨んでください。

近藤 強
俳優 / 青年団所属
愛知県出身。三重大学人文学部卒業後に渡米、ネイバーフッドプレイハウス修了。2007年に帰国し、青年団に入団。青年団以外には渡辺源四郎商店、ウンゲツィーファ、玉田企画、犬飼勝哉などにも出演。映画:『ミッドナイトスワン』(2020/内田英治)「あの日々の話」(18/玉田真也)『ジェファソンの東』(2018/深田晃司)など。俳優活動以外には、舞台通訳、企業研修ファシリテーターとしても活動。
ビューポイントと呼ばれる俳優のための動きの訓練法やシアターゲームを紹介します。エクササイズを通して、演技の基礎でもある「刺激に反応して自分なりの選択をする」練習を身体を使って楽しみながら行います。

兵藤 公美
俳優 / 青年団所属
横浜市出身。桐朋学園大学芸術科演劇専攻、専攻科卒。洗足学園音楽大学講師。映画美学校アクターズコース講師。96年、平田オリザ主宰劇団青年団入団、現在在籍。青年団に出演の他、『バッコスの信女-ホルスタインの雌』(20/作・演出 市原佐都子)などに参加。映画出演作として『あおげば尊し』(06/市川準)『このすばらしきせかい』(06/沖田修一)『歓待』(10/深田晃司)『SHARING』(14/篠崎誠)『共想』(18/篠崎誠) 『哀愁しんでれら』(21/渡部亮平) 『子供はわかってあげない』(21/沖田修一)『すべての夜を思い出す』(22/清原惟)ぼくのお日さま』(2023/奥山大史)、『めくらやなぎと眠る女』(2024/ピエール・フォルデス、深田晃司) 四月の余白』(2026/吉田恵輔)など。
演じるときに使う意識と身体のコントロールについて言語を使わずに、「動ける身体」のトレーニングしていきます。
演じている時は、たくさんの情報をキャッチして、行動を選択したり、イメージを持続させたりと、とても頭が忙しいです。
演技は一朝一夕でできるようになるものではありません。才能やセンスといった言葉で語られることが多いですが、人間の生理感覚や特徴を分析して、演じることを体系的に学んでいきます。
自分の身体の取り扱い方と自分の表現をみつけていくために豊かな鍛錬の時間が、演技術の向上に結びついていくと思います。そして思い通りに振る舞えた時、その喜びは大きく、また演技を理解することで人間や社会の見方や考え方も広がると思います。それはきっと人生を豊かにしてくれることでもあると思います。

江副 悟史
俳優
東京都出身。日本ろう者劇団に入団後、手話狂言や自主公演などに出演。2010年3月までNHK「こども手話ウイークリー」のキャスターを務める。映画『獄に咲く花』で杉敏三郎役を演じる。3.11震災後にネット手話ニュース「DNN」を立ち上げる。(現在休止中)
2017年より日本ろう者劇団の劇団代表を務める傍ら俳優、講演、手話表現者、手話監修、手話弁士、キャスターなど幅広く活動中。
「日本語から手話への翻訳」を中心に、そして表現するにあたっての工夫を教えられたらと思います。皆さんよろしくお願いします。

數見 陽子
俳優
和歌山県出身。俳優、手話教師。2002年日本ろう者劇団入団。2015年サイレント身体表現ユニット『うごく作品』旗揚げ。主な出演作は、牧原依里演出『聴者を演じるということ 序論』(2023)、小野寺修二演出『100年の眠り』(2025)ほか。慶應義塾大学等にて日本手話を言語学的観点から教授。番組収録の手話監修にも携わる。
私たちろう者が演じ手となるとき、二つの身体と感覚を併せ持っているのではないでしょうか。
一つは普遍的な人間としての身体と感覚、もう一つはろう者としての身体と感覚。そして、そこに手話という言語が加わります。
日本語で書かれた台本に「ごめん、今日はちょっと…」という台詞があったとします。
この台詞を、書かれた日本語のまま演じるのか、ろう者 ならではの表現で演じるのか。
両方の感性を兼ね備えることで、選択肢が生まれ、演技の幅はさらに広がるように思っています。
ろう者独自の演技とは何か。ろう者としての演技に必要な要素とは何か。
それらを見つけ、気づいていくことが、今回のテーマだと考えています。

今井 彰人
俳優 / 映画監督
2009年、日本ろう者劇団に入団。米内山明宏氏の指導のもと、翌年『エレファントマン』(2010)で初主演・俳優デビューを果たす。以降、舞台・映画・映像作品において、表現者として独自の存在感を発揮している。主な出演作に、牧原依里・雫境共同監督 『LISTEN リッスン』(2016)、
KAAT 短編映像『夢の男』(2022)/主演) 宮崎大祐監督『MY LIFE IN THE BUSH OF GHOSTS』(2024)、呉美保監督『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(2024)、日比野克彦総合監修・牧原依里構成・演出『黙るな動け 呼吸しろ』(2025)、河合健監督『みんな、おしゃべり!』(2025)、日本科学未来館常設展PV「ナナイロクエスト—ロボットと生きる未来のものがたり」(2025)第38回 東京国際映画祭 アジアの未来部門公式出品作品 今井ミカ監督『黄色い子』(2025)。
舞台で演じることと、カメラの前で演じることは大きく異なります。
映画作品では、「カメラをどこに置くか」「どのように動かすか」といったカメラワークによって、映り方や伝わり方が大きく変わります。また、監督の指示を理解しながら演じることや、現場スタッフとのコミュニケーションも非常に重要です。
今回の講座では、映画ならではの演技や心構え、カメラワークについて、皆さんと一緒に学び、考えていきたいと思います。

河合 健
映画監督
1989年生まれ、大阪出身。日本映画学校(現・日本映画大学)卒業。自主映画『極私的ランナウェイ』(2012)がぴあフィルムフェスティバル2012、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2013に入選。自主映画『ひつじものがたり』(2015)がゆうばり国際ファンタスティック映画祭2016、ニッポンコネクション2016、カメラジャパン2016に出品される。『なんのちゃんの第二次世界大戦』(2020)で劇場公開デビューを果たす。『みんな、おしゃべり!』(2025)にて第66回日本映画監督協会新人賞を受賞。
みなさんが、この先、聴者が圧倒的多数の撮影現場に参加することを念頭においた講座を考えています。聴者主導で進む制作において、起こり得る障壁とは何か、その根源には何があるのか。まずはそこを言語化し、認識することから始めて、最終的には聴者の演出を実際に体験してもらうまでを想定しています。今後の現場で、余計な不安を取り除き、理不尽に自分を押し殺すことが少しでもなくなることを願い、その一助となるよう臨みます。

今井 ミカ
映画監督
群馬県出身。第一言語は日本手話。2018年『虹色の朝が来るまで』で劇場公開デビュー。『ジンジャーミルク』(21)で映文連アワード優秀賞、うえだ城下町映画祭大賞、TAMA NEW WAVE特別賞、イギリスFragments Festival2023最優秀賞を受賞。22年、映画・映像制作及びろう者芸能プロダクション「サンドプラス」を設立。東京国立博物館をはじめとする文化施設の映像制作を手掛ける。最新監督作『黄色い子』第38回東京国際映画祭「アジアの未来」部門に選出。
四角の形をしている映像ーカメラの前で演じるのに適した演技とは何でしょうか。それらを意識した上で、手話表現での空間の使い方、表情や呼吸、日常にあるリアルな感情を手話に載せる方法、そして観客たちに伝わる演技を考えていきます。
今回は映画の脚本をもとに手話で演じていただき、第三者の目を通して批評していきます。
映画の演技とは何か、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
会場:トット文化館
〒141-0033 東京都品川区西品川2-2-16
最寄駅:JR山手線・大崎駅から徒歩8分 / 東急大井町線 下神明駅から徒歩10分
受講資格:ろう者・難聴者(手話で進行します)
15歳以上(高校生以上)であれば学歴、経験の有無は問いません。
※高校生で受講をご希望される方は保護者同意書を必ずご提出ください。
※基本的に手話で進行します。聴者の講師には手話通訳がつきます。手話の読み取りに不安がある方は事務局までご相談ください。
受講期間:2026年12月3日(木)〜2027年2月8日(火)25コマ+修了公演 2月-3月)
平日 19時ー21時30分 ※土日祝日は14時−16時30分
受講料:10万円(税込)
※一括納入が原則ですが、ご希望の方には分割払い(2回払い)でのお支払いもご案内をいたします。
※開講前・開講後に関わらず、申込者の自己都合での解約による受講料の返金は原則お断りいたします。ただし、疾病等、やむを得ないと認める事由についてはご相談に応じます。
遠方の方には、宿泊費および交通費として上限30万円を補助します。(最大2名まで)
ただし、以下の条件があります。宿泊費の実費補助をご希望の方は、事前にお早めに事務局までご相談ください。・宿泊費は1泊あたりの上限額あり
・マンスリーマンションを利用する場合、光熱水費は補助対象外のため受講者負担
・講習日以外の日で妥当性が認められない日の宿泊費・交通費は、全額受講者負担 (マンスリーマンションも含む)
※宿泊は当協会が予約、交通費に関しては受講者が立替支払(領収書、旅程表、往復の駅名が分かる切符やデータの提出が必須になります)
※文化庁の規定に則した領収書一式の提出が必要です。規定に則していない場合は自己負担となります。
定員:10名程度
選考方法:2026年11月15日(日)面接実施
書類選考および講師陣との簡単な面接(約30分)を行います。申込締切後、面接日程をメールにて事務局から連絡いたします。
面接終了から速やかに合否の結果をメールにてお知らせします。合格者には、受講手続きのご案内を致します。
※上記日程でご都合がつかない場合、お申し込みの際にご申告ください。また遠方の方はZoomにて対応いたします。
申込締切:2026年11月8日(日)23:59
※事務局からの参加受付メールをもって受付完了となります。
※高校生は保護者同意書もdeaf.actors@gmail.comまでご提出ください。
お問合せ先:育成×手話×芸術プロジェクト事務局 デフ・アクターズコース担当 deaf.actors@gmail.com
注意事項:
・参加受付のご案内メールは〈deaf.actors@gmail.com〉からお送りします。このアドレスからのメールが受信できるように設定をお願いいたします。
・1週間たっても事務局からのメールが届かない場合は、お手数ですがご連絡ください。
・お預かりした個人情報はデフアクターズコースの運営に関わる連絡にのみ使用いたします。
ハラスメント対策について:詳細はこちら
手続きの流れ
高校生は保護者同意書をdeaf.actors@gmail.comまでご提出ください。
